「ジェネラティビティ」との出会い

私が初めて「ジェネラティビティ」という言葉を知ったのは、今から15年近く前のことです。日本で企業経営していた当時のビジネス・パートナーが心理学に明るかったことから、この概念を知りました。以来、私の私の頭の中からこの言葉が消えることはありませんでした。このサイトの名称でもある「ジェネラティビティ・ラボ™(以下、ジェネラボ™)」は、当時日本で事業化しようとした会社の名称でもあります。大手企業の役員や素晴らしい仲間が集まったのですが、その時には様々なタイミングがかみ合わず、計画していたことが具現化することはありませんでした。

 時が過ぎて日本の事業を手放し、アメリカに生活拠点を移し10年が過ぎようとしています。その間、10回の引っ越しや出産を経験し、人生は大きく変わりました。二人の娘を育てながら、頭の隅にずっとひっかかっていた「ジェネラティビティ」と言う言葉。ここ数年、その言葉の本当の意味を、思いがけず学ぶ機会に恵まれることが出来たように思います。

「すべての子供が輝く場所をつくる」

 私は2018年の1月から、ワシントン州の非営利団体「Kitsap Children’s Musical Theatre」の理事を務めています。20年以上続く地元では老舗の子供劇団として知られており、常時子供が170人以上、大人のボランティアが200人以上所属する大所帯です。この劇団では、オーディションを受けた子供全員を舞台に立たせます。ハンデがある子供、車いすの子供もいます。「すべての子供が輝く場所をつくる」というモットーを大切し、頑張る子供を大人と地域が全力で支えます。劇団の活動を通じ、子供たちは真のリーダーシップやフェアネス(公平さ)を学び、18歳になると劇団を巣立っていきます。その子供たちの中には、耳が聞こえないハンデを乗り越えて、地元シアトルのIT企業の役員になった人や、政治の道に進み世の中を変える活動を続けている人もいます。

 「何があっても子供たちが未来に希望を見出せるように、大人たちが支える」

 そのパワーに圧倒され、感動し、「こうしたコミュニティ形成こそが、ジェネラティビティには必要なのだ」と学べたように思います。

これからの社会に求められること

 私はこの劇団の、移民かつ非白人初めての理事です。多様なアメリカにおいて、マイノリティであることの意味は、非常に大きなものがあります。文化的背景等の違いを劇団の強みとして認めてた劇団にも、感謝しなければいけません。多くの子供を率いる団体の理事ということで、シアトルのグローバル企業や地元の優良企業、市議会等の活動にも、積極的に参加することが多いですが、マイノリティだからこそ様々な場所で発言を求められるおかげで、アメリカ社会をより深く知る努力を続けることが出来ました。アメリカは「分断されている」などと言われていますが、「次世代のために私たちが今何をすべきなのか?」という共通課題に働きかけようという、ポジティブな力も存在しているのだと実感しています。

 また、アメリカ企業が取り組む「社会還元活動の姿勢」は、これからの日本においても学べる点が多いと思っています。企業が収益活動をする流れの中で示す社会への「還元性」が、コミュニティの一部として完全機能しており、しばしばそれが事業の強みになっていることには、大きな驚きを得ました。そして、その軸にあるものもまた、ジェネラティビティと言えます。

 アメリカで得た経験を活かしつつ、日本の次世代の希望ある未来を創るためにも、ジェネラボの活動が役立つよう、精進したいと思います。

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