Generativity Lab™

次世代に何かを繋ぐ「社会還元共有型」マーケティング™が企業と社会を変える

3MやUberも積極支援! 全米規模の高齢者支援が、若者の人生を変える理由

 アメリカの非営利団体に「Meals on Wheels」という組織があります。全米5000以上の地域で活動を続けている非常に有名な団体で、貧困や孤独というような状況に置かれた高齢者たちに、温かい食事を届けるというのが彼らのミッション。大手企業が「お金を寄付する」という支援以外の形で、この活動に賛同している点においても、注目されています。

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お年寄りに手を差し伸べることによって生まれる「世代継承」

 この活動は1943年にイギリスからスタートしたもの。アメリカでの活動は、1954年1月にペンシルベニア州フィラデルフィアで開始されました。当初ボランティアのほとんどは高校生で、彼らは「プラターエンジェル (Platter Angels)」と呼ばれていたそうです。高校生たちは食べ物の準備から梱包、配達までを一挙に請け負いました。そんな流れもあるからでしょうか、今でも多くの学生がこの活動を支援しています。

 

 現在、同団体でスタッフ、ボランティアとして活動している人の数は、なんと200万人以上もいます。ちなみに支援を必要としているお年寄りの数は900万人。アメリカでも日本同様高齢化が進んいるため、同団体では問題の根本解決を目指しているそうです。(アメリカでは2060年までに、60歳以上の人口が現在の2倍になる試算)

 

 この活動には多くの寄付が必要ですが、支援企業の中にはお金を出すだけではなく、「社員が積極的にボランティアをする時間を確保する」ことで、活動を支援する会社もあります。特筆すべきはポストイットで有名な3M。彼らはお昼休みなどの時間に、社員たちがこの活動をすることを支援。配達のためにかかるガソリン代を会社が支払う方針にしていることは、あまりに有名です。また、2017年には、Uberが本格的にこの支援サポートを表明。ボランティアたちが食料配達をするための車両移動部分などをサポートしていることは、とても大きな話題になっています。

 

 ボランティアをしている人の多くは「最初は高齢者を救うためと思っていたが、逆に彼らから何かをもらったのは『自分たち』なのだ」ということに気づきはじめるそうです。3MやUberの支援例があることから、同団体では多くの企業やそこに勤める社員たちに「ランチタイムだけボランティアをしよう!」という呼びかけをしています。そこで生まれる世代間を越えた温かな「つながり」は、アメリカの比ではないスピードで高齢化が進むに日本にとっても、何かのヒントになるかもしれません。家族ではない人との「横」のつながりが社会を作り、人々の居場所をつくるという、素晴らしい例だと思います。最後に、その様子が分かる映像を紹介しておきましょう。

 

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アマゾン本社が、バナナで作り上げるコミュニティの「場」

シアトルにはアマゾンの本社がありますが、その本社が2015年から一日5000本ものバナナを、ひたすら無料で配り続けている話を知る人は、少ないかもしれません。アマゾンは、なぜそんなことを続けているのでしょうか?

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バナナが繋ぐ、人々が共有できる「場」

アマゾンが現在バナナを配っているのは、本社から至近の人通りが多い2か所。アマゾン以外の企業が多いエリアかつ、近郊には高層マンションもたくさんあるので、そこを通るのはアマゾンの社員とは限りません。

バナナは誰でも、そしていくつでも貰うことができます。配布用には「バナナスタンド」が設置されており、朝7時半から、午後3時半までの間、バリスタおとい「バナスタ」の愛称で呼ばれるスタッフが、ニコニコしながらバナナを貰いにくる人と、会話を楽しんでいる様子はとても印象的です。

 

 2017年には100万本バナナは配給を達成。それを記念した映像もあるので紹介しておきましょう。ちなみに同社は、今後もバナナの継続配給を行うと発表しています。

 

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このアイデアは社長のジェフ・ベソス本人が考えついたことだったようです。バナナスタンドを設置した意図や真意は、公式には発表されていないようですが、同社のこの「場」作りは、市民にはとても好評のようです。知り合いがちょうどこの近所のマンションに住んでいるのですが、彼はこんなことを言っていました。

 

「ひょっとしたら一日コンピュータの前に座って、誰とも話さないで一日が終わることもあったが、バナナスタンドが近所に出来てからは、毎日通うようにしている。そこに行けば誰かと言葉を交わせるからね。自分は一人ではなく、コミュニティと繋がっている感じがして、孤独にならずに済むよ」

 

 彼はフリーでITの仕事をしていており、家庭があるわけではないため、ふと気づくと「独りぼっち」を感じることがあったと言います。世の中を見渡せば、もしかしたら彼のような人は意外と少なくないかもしれません。

 

 次世代を取り巻く環境は、私たちが子供だった時代のそれとは、大きく異なっています。日本も少子高齢化が進み、社会の構造そのものが変わりつつあると思いますが、それに加えてコンピュータやスマートフォンの普及に比例するかのように、人と人とが対面してコミュニケーションを取らなくても、事足りてしまう世の中に変化しつつあると思います。そうした便利な世の中では、以前なら表面化していた問題が見えずに済んでしまうこともあるでしょう。しかし、それは時に危険なことだと思うのです。

 私は、世の中には人と人とが繋がれる「場」は必ず必要だと考えています。日本財団が2018年末に発表したデータにはショッキングな事実を知り、特にそう思うようになりました。そこには、「日本に暮らす18歳から22歳の若者のうち、4人に一人が自殺を本気で考えたことがあり、10人に一人は自殺未遂を経験したことがある」という驚くような調査報告が記されていました。日本における自殺未遂には、いじめや、不登校が強く関連しているといいます。

 

 厚生労働省平成30年度版『自殺白書』を見ると、日本の若者の死因の1位が自殺でることが分かります。無限の可能性が目の前に広がり、夢や希望にあふれるべき若い世代が死を考えるという現実は、とても悲しいものです。問題は根深いとは思いますが、もしかしらら孤独や追いつめられる心を救うのは、誰かとかわす、ほんのちょっとしたコミュニケーションの積み重ねなようにも思います。

 バナナスタンドの例ではありませんが、格式だった「相談所」のような門構えはなく、誰もがそこに集えるような、子供たちの声がコミュニティに届く「場」を位置的に作れたら、もしかしたら日本の若者の自殺未遂数は減ってくれるかもしれません。

 

『BizSeeds』の記事も重ねてご覧ください。

https://bizseeds.net/articles/835

アメリカにおける非営利団体の在り方について②

 前回アメリカの非営利団体の在り方は日本とはかなり異なることを説明し、税法上のルールについて少し解説させていただきました。そことも少し被るのですが、今日は「ガバナンス」にいて説明してみようと思います。

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NPO理事職は、報酬なしの名誉職

 前回一般的なNPOにとって最も重要であることは何といっても「501(c)3」であるか否かであると説明しました。そこでも述べたことですが、IRS( アメリカ合衆国内国歳入庁)が税法上、法人税の免税団体と認めた該当団体は、 何よりも組織としての公益性を遵守しなければなりません。

 

 NPOの公益性の遵守は、理事会のリーダーシップの手腕にかかるものです。理事会は、組織ミッション遂行管理とそれに伴うあらゆる決定を行う中枢機関ですから、理事個人としても、大きな責任を持たされます。しかし、そんな責任ある立場であっても、アメリカのNPO理事というのは基本的に無報酬です。「スタッフ」として働く人間の報酬や、経費はもちろん計上できますが、日本のように「理事が職員を兼任し報酬をもらう」ということありません。むしろ理事は「ミッション遂行のために一番貢献する人間」ですから、多くの場合は高額寄付者だったり、高額寄付をする企業や個人を組織のために集めてくる人間が就任することがほとんどです。キャリア的にも誰でもなれるものではなく、企業経営者だったり、大学教授だったり、あるいは公益性ある活動で何らかの実績をもたらしたことのある人間が就任するケースが多いと思います。

 

 また、アメリカのNPOでは「利益相反」と見られる行為は徹底的に避ける必要があります。例えば、理事が関連する企業にNPOから仕事が発注されたり、何らかの見返りがあるようなことは、あってはいけません。また、NPO内に複数の同族理事が就任することも望ましくありません。以前、地元の環境関連のNPOで、その活動を熱心に支え続けてきた生花店を営む夫婦とその娘が同時に理事就任したことがありました。ボランティアとしても多くの時間を割き、定期高額寄付を納めているファミリーだったので、組織としては「理事に是非」ということだったらしいのですが、ここでも「利益相反」が大きな問題になりました。例え高額寄付者であっても、家業が「生花店」ということで環境と密接であること、同族の同時理事就任は望ましくない判断され、結局ご主人以外は理事から早々に外されてしまったのです。

 

 私がは現在子供の劇団の理事ですが、就任を依頼された理由は、過去にいくつか行った舞台製作の実績と共に、数年前に行った「能楽とオペラ」の舞台プロデュース実績が大きかったようです。この舞台は、「平家物語」を主題に「巴御前」の物語を伝統的な能と、アメリカのコンテンポラリーオペラ両方の視点で観客に披露するという試みで、当時シアトルタイムスが一面で紹介するなど一部でかなり高い評価を受けたものでした。シアトルは特に、「移民たちの文化を受け入れ、それらを学ぶ」という積極的な姿勢があるため、社会の多様性ニーズに説得力ある活動経験は一定の評価を受けます。私の場合は非白人の移民と言う「マイノリティの登用」としても、恐らく望ましかったのだろうと、推測します。多様性を重んじるアメリカでは、こうした理事の背景も、組織に「公益性」をもたらす人物か否かという点において、重要になるようです。

様々な人の人生に、子供たちが触れる機会を提供する『Kids Meet』とは?

  アメリカで現在、かなりの勢いで視聴者数を伸ばしているインターネットメディアがあります。Cut.comという企業が運営する『Hiho Kids』というもので、昨年末に『BizSeeds』でも紹介しました。その当時の視聴者数は190万人弱だったのですが、それから9ケ月後の今日現在、その数は318万人にまで増えています。

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多くの子供が「生き方の多様性」に触れる機会をというミッション

 このメディアは、いくつかの番組によって構成されていますが、一番人気は何といっても『Kids Meet』というシリーズです。この番組は、「様々な背景のある大人達に、子供たちが出会い質問をする」というのがコンセプト。日系収容所経験者、助産婦、バレリーナ、ガン克服者、自殺未遂経験者、ガン乱射事件の経験者など、本当にありとあらゆる人が登場します。様々な人のキャリアや、人生の経験に触れながら、子供たちが率直に質問をしていく様子は、とても興味深いものがあります。

 

 中には元銀行強盗やハッカー、中絶を肯定する女性や、セックスワーカー、ドラッグクイーンといった人も登場するため、宗教上の理由や年齢的に小さな子供には視聴が相応しくないという回があることを指摘する人はいるようですが、「そういう回は見なければいいだけ」ということで、概ねアメリカ社会は、このメディアの取り組みに好意的のようです。

 

 同社のミッションは「生き方の多様性や様々な人の人生の経験に、子供が触れる機会を創出すること」とありますが、これはとても大切なことだと思います。「大学ではこれを学びなさい」とか、「社会ニーズの高い職業を選びなさい」など、「よかれ」と思って、大人が思う将来に子供を誘導してしまうことはよくあります。しかし、それは本当の意味で子供の人生のプラスにはならないでしょう。また、誰かの人生の物語の中から、人生の意味や将来目指すべき方向を見つけられる子供もいると思うのです。

 

 これはジェネラボのコンセプトでもありますが、私たち大人が子供に提供すべきは、彼らが自らの力で人生を切り開いていくために必要な「種」だと思うのです。そしてその種をどうやって子供に手渡していくかは、すべての人が取り組むにふさわしい価値ある課題でもあります。このメディアが急成長している理由も、そんなニーズが裏付けされているからに他ならないでしょう。

 

 番組はたくさんストックがありますので、時間があれば是非いくつか視聴してみてください。

Kids Meet | HiHo Kids - YouTube

 

『BizSeeds』で紹介した記事も、合わせて読んでいただけると嬉しいです。

bizseeds.net

 

 

 

 

難病の子供とその家族のために。ユダヤ人富豪の歩んだ奇跡の物語

 「あなたが一番尊敬している人は誰ですか?」という質問をされたら、間違いなく私はヘンリー・ランドワース氏の名前をあげるでしょう。ホロコーストを生き抜き、移住した先のアメリカでホテル経営者にまでなった彼が歩んだ物語は、私たちに多くのことを投げかけてくれます。

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明日をも分からぬ命を生きる難病の子供と、家族のために

 フロリダ州オーランド市は、ユニバーサルスタジオやディズニーリゾートで有名な観光地ですが、この土地にはもう一つ、夢のようなひと時を過ごせる場所「Give Kids the World」があります。私がこの場所を知ったのは、かれこれ15年以上前になりますが、フロリダに住んでいた際に念願かなって見学に行った日のことは、今でも忘れることが出来ません。

 

 「Give Kids the World」は、前出のランドワース氏が作った、難病の子供とその家族のための施設です。彼がこの施設を作ったきっかけは、1本の電話でした。当時彼は、ディズニーからほど近い場所でリゾートホテルを経営していました。ある朝彼がホテルにいると、フロントの担当者が、宿泊キャンセルの電話がかかってきたことを彼に伝えます。その内容は、「ディズニーリゾートでの休暇を楽しみにしていた闘病中の子供が、その朝亡くなってしまいったために、旅行にいけなくなってしまった」というものだったそうです。

 

 この瞬間、ランドワース氏は、残りの人生を難病の子供とその家族のために捧げることを誓います。戦時中、強制収容所の生活を経験した彼がアメリカに渡った時、所持していたお金はわずか20ドルでした。そこから這い上がり、裕福になった彼の心の奥底に沈んでいたはずの、「常に死と隣り合わせだった当時の自分」が蘇り、病気で亡くなったその子供の人生と重なって見えたのだそうです。

 

 彼はすぐさま所有していたホテルや私財を全て売却し、大きな土地を購入します。その土地に建てた施設こそが、この「Give Kids the World」です。彼の思いに共感したたくさんの企業が、支援を申し出て施設は1986年に完成します。名だたる企業がお金を寄付していますが、彼らの名前は同施設内にある「The Castle of Miracles」と呼ばれる建物の中に、小さな星のプレートでその名が刻まれているだけです。大きな企業ロゴも、支援していることを宣伝するようなもも存在しません。ランドワース氏は後に、「自分がこの施設を作るのに交わした契約は土地売買の契約書のみ。大きな支援をしてくれた人たちは全て善意手を差し伸べてくれたため、他には一切契約書を交わしていない」と語っていますが、この話を知った時に「真の善意」や「アメリカで成功する企業としての社会的なあり方」とは何を指すかを、改めて知ったような気持ちになりました。

 

 創設以来、約167,000人の子供とその家族が、この施設で夢の1週間を過ごしたといいます。滞在費は渡航費も含めすべて施設の招待。ディズニーパークやユニバーサルスタジオももちろん無料招待で、子供たちが体に負担がないように、最優先でアトラクションを楽しめるそうです。大勢のボランティアが、この施設の運営を支えていますが、実際に訪れてみて分かったことは、そこが正に奇跡と呼ぶにふさわしい場所だということです。

 

 私は実際に、毎年楽しみにボランティアにやってくるという老夫婦と少しお話ができたのですが「自分たちの娘が生きていた時に、本当に素晴らしい経験をさせてもらった。施設をサポートし続け、子供たちとその家族に楽しんでもらうことは、娘が生きていた証を見続けることでもあるんだ」とおっしゃっていました。ちょっと泣けてしまいました。

 

 ランドワース氏は残念ながら昨年お亡くなりになりましたが、彼がこの世に残した循環する「奇跡」は、今もフロリダの地で生き続けています。 彼が語った「自分の人生はあの時終わったも同じ。借りてきたように生かしてもらえている人生は、次世代に返さねばならない。これは誰かに与えるためにやっている事業ではなく、自分が生かされるために『与えてもらっている喜び』の活動なのだ」という言葉は、とても印象的です。ジェネラティビティを体現する生き方とは、彼のような生き方を指すのだと思います。
 

「社会還元」そのものを、定期購読するアメリカ

 アメリカでは「社会還元」そのものを、ビジネス商材として取り扱っている企業を最近知って、びっくりしました。「合理的」かつ「社会還元への積極参加」と言う点で、いかにもアメリカらしい発想ですが。なかなか面白い仕組みの事業なので紹介しようと思います。

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社会への還元を定期購買!

 このサービスは、「Care of Good」というもので、「社会還元をサポートする商品」が90日に一度届くというもの。Tシャツなどのファッションアイテム、生活雑貨、食品など複数の商材が、箱の中に詰められて送られてきます。「この箱を買う行為自体が、社会をよりよくする活動である」ことを売りにしています。

 

 商品は、動物愛護、次世代貢献、環境保護、貧困撲滅の4つのカテゴリーに紐づけられていて、自分が支援したいと思うものを選べます。テーマも定期的に更新されるようですが、「貧困地域に飲み水を配給できる支援を行う」など、支援の詳細がとてもクリアで具体的なのも特徴です。値段は料金は1支援(箱)、59.99ドル~。何が届くか楽しみというワクワク感も手伝い、サービスを利用する人も順調に伸びているようです。

 

 アメリカでは今、「サブスクリプション・ボックス」という商売が花盛りです。「Care of Good」もその一つですが、このビジネスの仕組み、いわゆる日本の「福袋」みたいなものです。日本の福袋は新年の風物詩で、アメリカ版は定期的に届くという点が違いますが、調べてみると「Care of Good」以外にも社会還元型サブスクリプション・ボックスはかなりあって、なかなか面白いです。

 

 マッキンゼー&カンパニーによると、2018年2月時点で、アメリカにおけるサブスクリプションeコマースの市場の成長率は過去5年間で100%成長というから驚きです。日本でもアメリカ式のサブスクリプションは、今後流行るかもしれませんね。

 

以前この会社のことを『BizSeeds』でも取り上げていますので、是非重ねて読んでみてください。

bizseeds.net

マッキンゼー&カンパニー参考URL:

Trends and opportunities in the subscription e-commerce market | McKinsey

次世代に関わることは、子供がいる人間だけの特権ではない

 移民の国アメリカは、国を構成する人間自体がそもそも多様と言えますが、それに加えて昨今では性の多様性も加わり、一昔前の「普通」という概念がすでに成立しなくなっています。そんな環境で子供を育てていると、様々な形の次世代へのかかわり方があることを実感します。

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次世代に関わることに、性差や子供の有無は関係ない

 「次世代に積極的に関わり、子供を育てる」ことは、子供のいる人間だけの特権ではないと私は思っています。私たちの会社が現在アメリカ側で進めている「ジェネラボ」の活動は、「子供がいる人、いない人、独身、既婚、性差問わず、誰もが次世代継承に関われるポジティブな場を作ること」を目指していますが、子供を持たない選択をした人、持ちたくても持てなかった人、結婚も子供を持つこともしなかった人、ゲイ、レズビアンなど性的マイノリティも含め、このミッションに共感してくれる人はとても多いです。下記図の「G」が、私たちが目指すジェネラボのポジション。現在、様々な背景をもつアメリカ人の仲間も巻き込み、少しずつプロジェクトを具体化しているところです。

 

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 人は誰もが「物語」を持っています。素晴らしい成功の物語もあれば、とても辛い経験の物語もあるでしょう。しかしそうしたすべての経験の中に、次世代に伝えられる「何か」があるはずです。積極的に関わろうとすれば、あなたが手渡す小さな「種」が、子供たちの人生に思わぬプラスを与えることは十分あり得るのです。

 

 私の知り合いに、日本アートの画廊をオープンさせたアメリカ人男性がいます。彼は7歳の時に、母親と一緒にフラリと立ち寄ったアンティークショップで、伊万里焼の壺を磨いている店主と出会いました。店主があまりに一生懸命壺を磨いている様子を見て、彼は店主に色々質問したそうです。店主は優しく、焼き物の歴史のことや、日本文化の奥深さを少年時代の彼に伝えてくれたそうです。

 

 彼は言います。「あの店の店主との出会いで、僕の人生は決まったんだ。これほどまで好きなことに出会えたきっかけは、あの日の雑談だったのさ」と。思いがけず出会ったアンティークショップの店主が彼に与えた小さな「種」は、素晴らしい花を咲かせたと言ってよいでしょう。

 

 子供は先人たちから「未来の種」を、大人は様々な差異を越えて次世代に何かを紡いでいける「経験」を与え得合える「場」を意図的に作れたら、とても素敵なことだと思っています。まだもう少し準備がかかりそうですが、少しずつ準備します。