Generativity Lab™

次世代に何かを繋ぐ「社会還元共有型」マーケティング™が企業と社会を変える

素敵な活動発見!「ミツバチがつなぐコミュニティが、未来を守る」

 ミツバチの個体減少が、世界中で問題になりはじめて久しくなりました。作物の花粉交配のための花粉媒介者・ポリネーターであるミツバチが減ってしまうことは、地球の生態系や自然環境維持にも深く関わるとして、大きく問題視されています。

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蜂を守り、未来の子供達を守ろう!

 今月たまたま、小学校に通う次女が学校の宿題で「ミツバチ畑」の調査学習をすることに。さっそくその宿題に協力してくれる養蜂場を探すことになりました。そんな中、「Sequim Bee Farm」が、快く「見学においで!」と言ってくれました。

 

 Sequimは雨が多いワシントン州の中にあって、年間日照数が約140日という、美しい田園都市です。出迎えてくれたオーナーのバディさんとメグご夫妻は、子供たちに丁寧に蜂の生活のことをお話ししてくださいました。

 

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指定された場所は、ヤナギランの花畑のすぐ横

 「ファームに行っても誰もいないから、ここに来てね」と言われた場所は、大きな野原が広がっている場所。ヤマギランが生い茂る花畑の横で、そこには巣箱が15個置いてありました。養蜂場と言っても、一か所に蜂の巣を置いているわけではなく、地域の生産者と協力して、一時間以内で回れる近隣の全102か所に、箱を置いているのだと説明してくれましたが、指定された場所もお友達の持っている土地とのことでした。

 

 ご夫妻が蜂の巣を置いている場所は、地元のラベンダー畑、りんご畑、ストロベリー畑、ブルーベリー畑など実にさまざま。ただ箱をおいてもらうのではなく、収穫したハチミツの半分は、その協力者が自分の畑の「ハチミツ」として売ってもらっているのだそうです。そして「素晴らしいな」と思ったのは、彼らのハチミツでつながった生産者たちの畑ひとつひとつが、子供たちが農業を学ぶ「場」となっている点です。次女がそうであったように、近隣の学校では「ミツバチの学習」が課題になることが多いといいます。学校や子供たちの家族から、畑見学のお願いがあった際には、箱をおいている畑にも協力してもらい、子供たちにフィールド学習の機会を提供しているのだそうです。

 

 「ブルーベリーの季節にはブルーベリー畑に、ラベンダーの季節にはラベンダー畑に案内しています。子供たちにはミツバチのことを知ってもらいたいですが、ミツバチの力が必要な畑の生産者が、自分の畑のことを語ってくれることで、子供たちはハチだけでなく、自然の生態系に関心をもってくれるようになるんです。本当の意味で地球環境のことを考えてもらうには、私たち生産者がちゃんとつながって、みんなで子供に学んでもらう機会を作るのが一番ですよ」

 

 ご夫妻の考え方に賛同した生産者の方々のおかげで、ハチミツの収穫量も、子供達へ提供するフィールド学習の機会も増えていると言います。「ミツバチがつなぐコミュニティが、子供たちの未来をまもる小さな助けになればいい」と最後に語ってくれた言葉が、とても印象に残っています。素敵なご夫婦を紹介したビデオがあるので、最後に貼っておきます。

 

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子供にビジネスを学ばせよう!「一日起業家」プログラム

 アメリカにおいる春から初秋にかけての風物詩と言えば、「レモネード・スタンド」かもしれません。子供たちが自宅等の前にテーブルを設置し、何かの「目的」達成のためにレモネードを販売して資金を稼ぐというものですが、これがアメリカの子供たちにとって「人からお金をもらう」最初のケースになることは非常に多いと思います。

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お金を得る目的は、何かを実現するため

 そんなレモネード・スタンドと同類の機会を、組織規模で全米に広め、子供にビジネスを学ばせる機会を提供している団体が注目されています。これはテキサス州オースティンを拠点とするActon AcademyとActon MBAプログラムの共同事業で、「小さな教育機関が始めた、子供の未来と世界を変える革命」と呼んでいる活動のひとつ。「Children's Fair」と呼ばれる小さな「一日起業家」たちの青空市場活動は、やがて全国に広まり、現在では世界12か国・約120都市の自治体、ボランティア組織が、同活動を支援するまでに成長しました。

 

 子供たちは各々のビジネス・アイデアを、形にします。与えられたブースを利用し、子供らしい発想で様々なものを販売するのですが、先述のレモネード、絵やクラフトグッズを作って売る子供もいれば、靴磨き、ヨガ指導などのサービスを売る子供もいます。なかには自分が開発した発明品やアプリの販売権、代理店の権利を販売する子供までいるというのですから、ちょっと驚きです。

 

 全員とは言いませんが、モノやサービスを販売し、お金を稼ぎたい動機を、ポスター等で紹介している子供も随分いるようです。例えば「自分の所属するサッカー教室で使う、サッカーボールを購入するため」、「学校の合唱部が隣の州の合唱コンクールに参加するための費用」、「お兄ちゃんが大学に行きたいが、お金が足りないのでその資金を助けたい」というようなものまで、実にさまざま。子供に「社会と自分とのつながり、そしてお金の持つ意味」を学ばせる、とてもよい機会になっていることは、間違いないと言ってよいでしょう。

 

 ちなみに、ちょっとリサーチしてみたのですが、日本ではまだこのムーブメントに参加している団体はないようです。日本の子供にも、こうした機会を大人が支援して作ってあげえられたら素敵だな、と感じます。下記に団体のリンクと、『BizSeeds』で紹介した際のリンクを貼っておきます。ご興味がある方は、是非のぞいてみてください。

 

https://www.childrensbusinessfair.org/

https://bizseeds.net/articles/771

 

 

 

リサイクルよりも「リユース」を。真の環境保護に必要なこと

 スウェーデン在住の16歳の少女が、たった一人で始めたストライキ。その後、「未来のための金曜日」と称され、日本を含む世界160ケ国に広がった若者たちの環境保護へのデモ活動の声は、ついには国連の気候変動サミットにまで到達しました。

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リサイクルだけでは不十分という時代に

 16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさんが国連で行った怒りのスピーチは、次世代から投げかけられた強烈なメッセージだったと思います。彼女は発した言葉に、あなたは何を感じたでしょうか?

 

 「あなたたちはわたしたちを失望させています。若い人たちはあなたたちの裏切りを理解し始めています。未来の世代の全ての目があなたたちに注がれています。わたしたちを失望させることを選ぶなら、わたしたちは絶対にあなたたちを許しません」

 

 環境問題について、誰もができる取り組みの一つが「リサイクル」ですが、リサイクルは再利用を可能にするために、時間やエネルギー、そして新しい商品にするために補填する必要がある原材料などが必要です。このプロセスが「環境に完全に優しいとは言えない」という点に着目した企業がスタートさせた、「リユース(完全再利用)」出来る容器を用いた物販が、アメリカでは最近注目されつつあります。

 

 企業の名はLoop。彼らが目指すのは、古き良き時代の牛乳配達のようなビジネス。毎朝届く牛乳瓶を、洗って回収し、そのまま次も再利用という仕組みを、あらゆる商材に取り入れたことで、「真の環境保護を実現させるビジネス」として、注目を集めています。

 同社は米配送業界最大手のひとつ、UPS社との提携のもと、様々な消費商材ブランドとパートナーシップを組み、それらのブランドの商品を使い捨て容器ではなく、Loop専用の完全再利用容器に入れて配達しています。商品ラインナップも豊富で、食品や洗剤など、日常生活で愛用している様々な商品が、このサービス専用のパッケージに入れられて自宅に届き、使用後はUPSの配達員が再びそのパッケージを回収するという仕組みです。

 

 次世代が安心して暮らせる環境を残すために、それを実現する「仕組み」自体が強みになっている素晴らしいビジネスだと思います。サービスを紹介した動画と、以前『BizSeeds』で紹介した記事も、ここで紹介しておきます。

 

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bizseeds.net

 

講演会のお知らせ

欧米型・社会還元共有型マーケティングの実際を紹介!

2019年11月27日16時より、大阪・産業創造館にて、『成功企業は取り入れている!アメリカ発「コミュニティ・マーケティング」 』と題する講演を行います。お誘いあわせの上、是非みなさまお出かけください。

 

詳細は下記のサイトにてご確認くださいませ。皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げます。

www.sansokan.jp

 

眼鏡メーカーが実現させた、「Buy one, Give one」活動

 ヴィンテージ風のフレームとそのスタイリッシュさで、急成長しているアイ・ウエア(眼鏡)ブランドがあります。Warby Parkerというニューヨークを拠点にした会社ですが、ちょっと変わった販売法と社会貢献活動で、アメリカでは爆発的な支持を集めています。

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分かりやすい貢献方法は、支持されやすい

 来年創業10周年を迎えるこの会社、10億ドルの企業価値を認めらた非上場のベンチャー企業、「ユニコーン企業」です。ツイッターフェイスブックも、元をたどればユニコーン企業だったということを考えると、いかにこの会社が優れた企業かが分かります。2015年には100万ドルの資金調達にも成功、名実ともにアメリカを代表するアイ・ウェアブランドに一気に成長しました。

 

 彼らのビジネスの特徴は、「ハイクオリティな眼鏡をリーズナブルな値段で」と言うことにこだわっている点。値段は95ドル(一部商品除く)と、とても手ごろ。そして何より、それらを完全オンライン販売している点が注目されています。眼鏡はフレームによって、顔の印象が変わってしまうもの。ですから「試着必須」の商品でもあります。オンライン完全販売だと、当然その点が不安ですが、そこに素晴らしい解決策を見出したことで、この会社は大きく成長したと言います。

 

 彼らが導入したシステムは「Home Try On」という自宅にいながら、いくらでも試着できるサービス。気に入ったフレームをネット上でオーダーすると、試着用メガネを送ってます。これはあくまで試着用なので、済んだら送料無料で返却します。気に入ったフレームがあれば、それを注文。試着用をキープではなく、新品が届けられます。もちろん気に入らなければ、何度でも試着をすることが可能です。

 

 こうした利便性あるサービスは、アメリカ人が支持する傾向が高いですが、それに加えて忘れてはならないのが、同社の社会貢献です。彼らが行っているのは「Buy a pair, Give a pair」というもの。世界には、眼鏡を必要としているのに、それを所持することが出来ない人は約25億人もいるとされます。 この問題を解決すべく、同社では各国の人道支援組織との連携により、「眼鏡を1つ購入したら、誰かに1つ眼鏡がいきわたる」、という活動を続けているのです。現在までに同社が支援した国の数は50以上。こうした活動に共感し、同社商品をリピート購入する人も多いと言います。

 

 さらに同社が素晴らしいのは、ただ単に眼鏡を配るのではなく、現地で職業販売トレーニングを行っている点です。基本的な視力検査を出来る技術を伝え、それを生活の糧にしてもらう方法を取っているのです。販売する眼鏡は、貧困地域の人でも手が出せる安価で販売する仕組みを作り、その土地に富の循環が生まれるように工夫しているのだそうです。

 

 ちなみに、子供への眼鏡提供は、現地の学校を巻き込んで行ってようです。学校に直接出向き検査を行い、必要とする子供に眼鏡を提供しているます。未来を担う子供たちが、視力が問題で学習できないということがなくなるようにという企業ミッションは、非常にクリアで分かりやすいと思います。最後に彼らの活動をまとめた映像を紹介しておきます。

 

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3MやUberも積極支援! 全米規模の高齢者支援が、若者の人生を変える理由

 アメリカの非営利団体に「Meals on Wheels」という組織があります。全米5000以上の地域で活動を続けている非常に有名な団体で、貧困や孤独というような状況に置かれた高齢者たちに、温かい食事を届けるというのが彼らのミッション。大手企業が「お金を寄付する」という支援以外の形で、この活動に賛同している点においても、注目されています。

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お年寄りに手を差し伸べることによって生まれる「世代継承」

 この活動は1943年にイギリスからスタートしたもの。アメリカでの活動は、1954年1月にペンシルベニア州フィラデルフィアで開始されました。当初ボランティアのほとんどは高校生で、彼らは「プラターエンジェル (Platter Angels)」と呼ばれていたそうです。高校生たちは食べ物の準備から梱包、配達までを一挙に請け負いました。そんな流れもあるからでしょうか、今でも多くの学生がこの活動を支援しています。

 

 現在、同団体でスタッフ、ボランティアとして活動している人の数は、なんと200万人以上もいます。ちなみに支援を必要としているお年寄りの数は900万人。アメリカでも日本同様高齢化が進んいるため、同団体では問題の根本解決を目指しているそうです。(アメリカでは2060年までに、60歳以上の人口が現在の2倍になる試算)

 

 この活動には多くの寄付が必要ですが、支援企業の中にはお金を出すだけではなく、「社員が積極的にボランティアをする時間を確保する」ことで、活動を支援する会社もあります。特筆すべきはポストイットで有名な3M。彼らはお昼休みなどの時間に、社員たちがこの活動をすることを支援。配達のためにかかるガソリン代を会社が支払う方針にしていることは、あまりに有名です。また、2017年には、Uberが本格的にこの支援サポートを表明。ボランティアたちが食料配達をするための車両移動部分などをサポートしていることは、とても大きな話題になっています。

 

 ボランティアをしている人の多くは「最初は高齢者を救うためと思っていたが、逆に彼らから何かをもらったのは『自分たち』なのだ」ということに気づきはじめるそうです。3MやUberの支援例があることから、同団体では多くの企業やそこに勤める社員たちに「ランチタイムだけボランティアをしよう!」という呼びかけをしています。そこで生まれる世代間を越えた温かな「つながり」は、アメリカの比ではないスピードで高齢化が進むに日本にとっても、何かのヒントになるかもしれません。家族ではない人との「横」のつながりが社会を作り、人々の居場所をつくるという、素晴らしい例だと思います。最後に、その様子が分かる映像を紹介しておきましょう。

 

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アマゾン本社が、バナナで作り上げるコミュニティの「場」

シアトルにはアマゾンの本社がありますが、その本社が2015年から一日5000本ものバナナを、ひたすら無料で配り続けている話を知る人は、少ないかもしれません。アマゾンは、なぜそんなことを続けているのでしょうか?

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バナナが繋ぐ、人々が共有できる「場」

アマゾンが現在バナナを配っているのは、本社から至近の人通りが多い2か所。アマゾン以外の企業が多いエリアかつ、近郊には高層マンションもたくさんあるので、そこを通るのはアマゾンの社員とは限りません。

バナナは誰でも、そしていくつでも貰うことができます。配布用には「バナナスタンド」が設置されており、朝7時半から、午後3時半までの間、バリスタおとい「バナスタ」の愛称で呼ばれるスタッフが、ニコニコしながらバナナを貰いにくる人と、会話を楽しんでいる様子はとても印象的です。

 

 2017年には100万本バナナは配給を達成。それを記念した映像もあるので紹介しておきましょう。ちなみに同社は、今後もバナナの継続配給を行うと発表しています。

 

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このアイデアは社長のジェフ・ベソス本人が考えついたことだったようです。バナナスタンドを設置した意図や真意は、公式には発表されていないようですが、同社のこの「場」作りは、市民にはとても好評のようです。知り合いがちょうどこの近所のマンションに住んでいるのですが、彼はこんなことを言っていました。

 

「ひょっとしたら一日コンピュータの前に座って、誰とも話さないで一日が終わることもあったが、バナナスタンドが近所に出来てからは、毎日通うようにしている。そこに行けば誰かと言葉を交わせるからね。自分は一人ではなく、コミュニティと繋がっている感じがして、孤独にならずに済むよ」

 

 彼はフリーでITの仕事をしていており、家庭があるわけではないため、ふと気づくと「独りぼっち」を感じることがあったと言います。世の中を見渡せば、もしかしたら彼のような人は意外と少なくないかもしれません。

 

 次世代を取り巻く環境は、私たちが子供だった時代のそれとは、大きく異なっています。日本も少子高齢化が進み、社会の構造そのものが変わりつつあると思いますが、それに加えてコンピュータやスマートフォンの普及に比例するかのように、人と人とが対面してコミュニケーションを取らなくても、事足りてしまう世の中に変化しつつあると思います。そうした便利な世の中では、以前なら表面化していた問題が見えずに済んでしまうこともあるでしょう。しかし、それは時に危険なことだと思うのです。

 私は、世の中には人と人とが繋がれる「場」は必ず必要だと考えています。日本財団が2018年末に発表したデータにはショッキングな事実を知り、特にそう思うようになりました。そこには、「日本に暮らす18歳から22歳の若者のうち、4人に一人が自殺を本気で考えたことがあり、10人に一人は自殺未遂を経験したことがある」という驚くような調査報告が記されていました。日本における自殺未遂には、いじめや、不登校が強く関連しているといいます。

 

 厚生労働省平成30年度版『自殺白書』を見ると、日本の若者の死因の1位が自殺でることが分かります。無限の可能性が目の前に広がり、夢や希望にあふれるべき若い世代が死を考えるという現実は、とても悲しいものです。問題は根深いとは思いますが、もしかしらら孤独や追いつめられる心を救うのは、誰かとかわす、ほんのちょっとしたコミュニケーションの積み重ねなようにも思います。

 バナナスタンドの例ではありませんが、格式だった「相談所」のような門構えはなく、誰もがそこに集えるような、子供たちの声がコミュニティに届く「場」を位置的に作れたら、もしかしたら日本の若者の自殺未遂数は減ってくれるかもしれません。

 

『BizSeeds』の記事も重ねてご覧ください。

https://bizseeds.net/articles/835